No.22(内陸国家の発展)  : 

『インドシナ』のインド文明とは?」     

マレー人のシュリーヴィジャヤはインドから大乗仏教をとり入れた。8世紀にジャ
ワ島に成立したシャイレンドラ朝は大乗仏教のボロブドゥールを建立している。一
方,カンボジアの真臘やジャワ島の古マタラムでは,さかんにヒンドゥー教をとり
入れ,多くの寺院を建設した。また,タイ,ビルマでは,インド商人を通じて上座
部仏教を導入した。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:
半島名であるインドシナが,「インドと中国の間」を意味することを知るとともに,
単に両者の影響下にあっただけではなく,独自の歴史や文化を育んできたことに大
きな関心を持って,東南アジア史を学ぼうとしている。


思考・判断:

インド文明の強い影響が,カンボジアでは数々のヒンドゥー教寺院に,ビルマやタイ
では上座部仏教の盛行に現れていることを,的確に判断している。


資料活用の技能・表現:

カンボジアの国旗の意匠がヒンドゥー教寺院であるアンコール=ワットに基づくこと
を知り,カンボジアの人々が,真臘時代の歴史や文化をとても大切に思っていること
を実感している。


知識・理解:

大乗仏教が北伝仏教として中国・朝鮮・日本に伝来したこととは対照的に,上座部仏
教が南伝仏教としてビルマやタイに定着したことなど,東南アジアとインドとの関係
史について基本的な知識を身につけている。